マネーツリーとマネーフォワードを1年間使ってマネーツリーを選んだ話

うまくいけば来年4月から社会に出ることになるので、今年は家計簿をつけることを目標にしていた。 そのため、今年1月からマネーツリーとマネーフォワードという2つの家計簿アプリ(iOS)を1年間使ってみた。

moneytree.jp

moneyforward.com

結論から言うとマネーツリーに一本化することに決めた。 せっかくなので選択の過程を書き残しておこうと思う。 以下はあくまで自分の用途からみた主観的な話であり、内容について責任は持たない。

比較表

下の話を表にまとめるとこんな感じ。

マネーツリーマネーフォワード
資産一覧
種別集計画面見やすい見にくい
資産とポイント別画面同画面
出費集計
種別グラフ棒グラフのみ円グラフ可
通販履歴非対応対応
金管
レシート読み取り非対応対応
財布残高自動計算ATM引き出しで対応対応
その他
無料版の機能高機能制限あり
Web版ありあり

もう少し詳しく

これまで実家暮らしの学生だったこともあり、自分の持っている資産の総額をきちんと把握していなかったので、アプリに最も求めていたのは資産の推移を把握できることだった。

両アプリはいずれも資産一覧・出費集計・現金管理の機能を有しており、自分にとって重要な順に各機能を並べると 資産一覧 > 出費集計 > 現金管 となる。 以下ではこの3つの面についてそれぞれのアプリを比べて気づいたことを書く。

資産一覧

資産一覧はマネーツリーのほうが見やすい。

マネーツリーは「口座残高」タブで全資産および銀行口座・クレジットカード・電子マネー・その他の各残高を一目で把握できる。 個別の銀行口座の残高や入出金記録などはその画面から1~2タップでたどり着けるようになっている。

マネーフォワードは最近種別集計額を表示してくれるようになったものの、登録金融機関が多いと画面が冗長になって見づらい。

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また、マネーツリーはポイント類と金融機関をタブで明確に区別しているけれど、マネーフォワードはすべて資産としてひとつの画面で扱っている。 個人的にはここは区別してほしい。

他にもマネーフォワードはカードの使用額が確定するまで表示できなかったり、通販サイトが残高0の金融機関として表示されるなどの不満がある。

出費集計

出費集計はマネーフォワードのほうが高機能。

マネーフォワードは各月の出費額を色付き円グラフで表示してくれるため、月の出費の割合が把握しやすい。 マネーツリーは棒グラフしか出ないので割合を把握するのにはあまり向いていない。

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またマネーフォワードは楽天Amazonの買い物履歴を取得しているので、閲覧できる情報量もマネーツリーより多い。 例えばKindle電子書籍を買ったとき、マネーフォワードは書籍名まで見れるが、マネーツリーはクレジットカードの履歴としての "AMAZON DOWNLOADS" というような文字列しか見れない。

細かいことを言うとマネーフォワードも自動分類の精度がよくなかったり、カード履歴と買い物履歴の名寄せが失敗したりするといった問題はあるけれど、気になったら手で直せるし、そんなに手間もかからない。

金管

金管理については、機能の豊富さではマネーフォワードが勝るものの、使い勝手はマネーツリーのほうがよい。

当初はマネーフォワードをRecerecoと連携してレシート入力で現金管理をしていた。 この機能では、連携する財布を指定しておくとレシートを入力することで差し引き残高が計算されるようになっている。

こうしておくとスマホで財布の中身が確認できるのではじめは重宝していたけれど、しだいにパシャパシャが面倒になり、また帳尻が合わなかったりすると修正が大変だったりした。 ふと 財布の中身は財布の中を見れば確認できるのでは、 という至極当たり前のことに気付いてからこの機能はあまり使わなくなった。

入力画面はマネーツリーのほうがシンプルで使いやすい。 マネーフォワードは少し前に画面がリニューアルされた結果、メモの入力がしにくくなかったりして、むしろ使いにくくなったように思う。

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最近はなるべく現金より電子マネーやクレジットカードを利用しており、こうすると記録が自動で残るので手入力の手間が省けて便利。 現金の入出金はは千円以上の出費だけ直接入力している。

ちなみにマネーツリーは出費カテゴリに「ATM引き出し」という項目があり、この額が記録した現金出費額と相殺されるようになっているので、うまく使えば手元の現金を把握することも可能ではある。

その他

上に挙げてない大きな違いとしては、マネーツリーのほうが無料で使える機能が豊富だという点がある。

マネーフォワードの無料版は、広告が表示される・金融機関の登録数が少ない・1年以上前の記録が見れない、といった制約がある。

家計簿アプリ 資産管理 「マネーフォワード」

対してマネーツリーはこれらの制約を設けないことを明言している。

Moneytreeのセキュリティへの取り組みについて | Moneytree 一生通帳、家計簿より楽チン!

マネーツリーのこの太っ腹っぷりはすごい。

またマネーフォワードはWeb版があるのが強みだったが、つい最近マネーツリーもWeb版がリリースされたのでその点においては違いがなくなった。

よく言われるセキュリティ上の懸念については、両アプリとも残高照会に必要な最低限の情報しか保持しないので情報が洩れて銀行からお金が引き出される可能性は非常に低いし、不安なら大事なアカウントは連携しなければいいのでここではとやかく言わない。

おわりに

何度も言っているが、マネーツリーはUI/UXが洗練されていて使い心地が非常によい。 対してマネーフォワードは、機能の豊富さではマネーツリーを上回るものの、自分にとっては必要ない機能が多い印象だった。 また最近はましになったものの、以前のマネーフォワードはバグが多くてしょっちゅう落ちていた。

両方のアプリを1年間ほぼ毎日使った結果、自分にはストレスをほとんど感じさせないマネーツリーが合っているという結論に至った。 ただ、人によっては機能の豊富なマネーフォワードが合う人もいるだろうし、この辺は好みの問題かもしれない。

最後に、ここまで偉そうにあれこれ言ってみたけど、どちらのサービスに対しても運営にはいい印象を持っていることを記しておきたい。 両社ともお金の世界を良くするのに相当な努力をしていることは、例えば以下のような記事からよく伝わってくる。

何より競合が存在するというのはサービスが良くなっていく上でいいことだと思うし、心の中では今後も両方のサービスを応援していきたい。